のたお印の短編集
「お喋りしに来た訳じゃないだろ?」

禍彦が一枚のカードを取り出す。

「さぁ、カードを引けよ。勝負といこうじゃないか」

「……」

こんな人通りの多い街中で、躊躇いなくサモーニングカードをちらつかせる禍彦。

しかし。

「相手になるわ」

朱鷺姫もまた、その挑発に乗る事に躊躇はしなかった。

彼女の瞳が、金色に輝く。

イカレているのは自分も同じ。

朱鷺姫もまた、カードに侵蝕されつつあるのだ。

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