のたお印の短編集
その慈空が調伏をしくじり、片目を失ったという。

やったのは女の霊。

とある工事現場に棲み付いている、上条 永久子(かみじょう とわこ)という悪霊だという。

慈空ほどの腕利きの密僧が狩り損ねたという事で、外道武士にその仕事が回ってきたのだ。

…黒革の外套の内に、封筒をしまう猛流。

その内に、チラリと得物が垣間見えた。

柄尻に六芒星の紋章が刻まれた、白鞘の日本刀。

日本の刀剣に西洋の六芒星が刻み込まれているのは、どこか違和感を感じさせた。

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