のたお印の短編集
彼の身につけている銀の装飾品は、只のアクセサリーではない。

1543年、ポルトガルからの鉄砲伝来と共に伝えられたという禁忌の術を会得した『外道武士(げどうぶし)』。

無論武士である以上、剣術に長けた彼らであったが、生身でありながら彼らが超常の力を持つ『黒の者』と渡り合えるのは、その伝来した禁忌の術を駆使するからに他ならない。

リングに擦らせた刃に、青白き炎が灯る。

装飾品に込められた『力』が、日本刀に宿ったのだ。

『黒の者』と同種の力。

肉体を持たぬ悪霊や怨霊さえも斬る、禍々しき力。

< 153 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop