のたお印の短編集
その刀を両手で握り締め、猛流は突進する!

「――――――!」

またも甲高い声と共に舌を伸ばす永久子。

一直線に猛流の顔面へと襲い掛かるそれを。

「!」

彼は突進しつつバック転、オーバーヘッドキックの要領で蹴り上げて弾く!

そのまま素早く着地、姿勢を低くして間合いを侵略!

横薙ぎの斬撃!

永久子もまた、その刃を両手で受ける!

五指共に、剥がされて爪のない指。

しかし人間の肉体では考えられないほどに硬質化しているのか。

青白い炎を纏った刃をも、永久子は素手で捌く。

生身とは思えぬ撃剣の音が、工事現場に響いた。

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