のたお印の短編集
無名が何者なのかは、外道武士の所属する関所の中でもいまだ議論が交わされている。

魔物なのか、悪魔なのか、禁忌の術を習得した魔術師なのか。

分かっているのは、物静かで小鳥や栗鼠と戯れる心優しい一面を持つが、人間は無表情に殺めるという事だけ。

無名は人間には容赦しない。

人間が蚊を躊躇なく叩き殺すように、無名は人間を躊躇いなく葬る。

その魔方陣の描かれた無感情な瞳から放たれるのは。

「!!」

何もかもを氷結させる氷の塊!

これを猛流は一歩も下がる事なく、一刀両断して相殺する!

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