のたお印の短編集
Nemesis
詳しい事は知らない。

雪村 亮二(ゆきむら りょうじ)の一族は、遺伝的に非常に希少な存在なのだそうだ。

その遺伝子を利用すれば、次世代に優秀な子孫を残す事が出来る。

身体的、頭脳的に高い能力を持った子を成す事が出来る。

優秀な子供を残したい。

優れた遺伝子を残したい。

それは生物としての本能でありながら、同時に傲慢でもある。

その傲慢がビジネスとなり、ビジネスによって雪村の一族は非業の末路を遂げる。

雪村の遺伝子を入手する事を請け負った傭兵部隊が彼らの村を襲撃。

村は一夜にして滅ぼされた。

女は犯され、孕まされた上に連れ去られ、男は無理矢理に子種だけ排出させられて用済みとばかりに殺された。

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