のたお印の短編集
研究施設の建物内から出て、サハクィエルは走る。

あとは門を突破すれば脱出成功。

肝心なデータは奪い損ねたが、チャンスはまたいずれ巡ってくる。

そう。

「っ!」

目の前に立ちはだかった、この男から逃げ仰せさえすれば。

立っていたのはイギリス人男性。

金の瞳、後ろで括った長い金髪。

白のTシャツ、ジーンズというラフな出で立ちから見る限り、警備兵という訳でもないようだが。

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