のたお印の短編集
一瞬の出来事だった。

鋭利な何かがレムナントの両目を掠める。

それだけで。

「ぎゃあぁぁあぁあぁあぁあああぁっ!」

レムナントの眼球が血を噴いた。

「目が!目があぁあぁあぁぁ!」

両目を押さえてのたうち回るレムナント。

その激痛は如何ばかりか。

想像を絶するに違いない。

悲鳴は聞くに堪えない悲痛なもの。

それでも亮二は表情一つ変えない。

寧ろ。

「貴様は悲鳴を上げる資格すらない」

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