のたお印の短編集
大きな口を開けて、舌を突き出して呻き声を上げるレムナント。

そのレムナントの舌が、鋭利な何かで突き刺された。

痛い!

痛いが、突き刺されたままで固定されてしまい、思うように声が上げられない。

悲鳴を上げる事さえ儘ならなくなってしまった。

その上で。

「マイケル・レムナント」

亮二はこの時になってさえ、端正な顔立ちを崩さなかった。

「冥府へ堕ちろ」

それがレムナントの聞いた、最期の言葉。

彼は脳天にアイスピックを突き刺され、テレビの電源を切るみたいに、命の電源を切られた。

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