のたお印の短編集
最早逃げる事儘ならず。

男は崖の上に引き摺り上げられる。

「さて、鬼ごっこは終わりだ」

3号、4号、5号、6号、8号。

五体の異形に囲まれる男。

悪い事に。

「年貢の納め時って奴だな」

更に二体の異形が、男の前に姿を現した。

「よくも面倒かけてくれたこった」

両手をスパークさせるのは7号。

黒い甲殻を持ち、体内で電気を発生させて放出する能力を持つ。

「大人しく諦めろ」

白金色の甲殻は9号。

4号の強化型であり、彼は両腕を自在に変化させる。

七体もの異形。

男に逃げる場所も隠れる場所もない。

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