のたお印の短編集
どよめく他の異形達。

糸の切れた人形の如く倒れた7号。

白煙が晴れる頃。

「……」

そこには周囲の連中と同じく、異形と化した男がいた。

真紅の甲殻状の装甲、緑の複眼。

体色こそ違えど、紛れもなく他の異形達と同じ姿。

「こ、この!」

右手をドリル状の棘に変化させた4号と、両手を変化させて火炎放射した9号が、男に攻撃を加えるものの。

「……」

男は何事もなかったように二人に歩み寄り、その頭部を片手ずつで鷲摑みにして握り潰す!

ダイヤモンド並みに強固な異形達の装甲を片手で握り潰す。

とてつもない握力だった。

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