のたお印の短編集
その少女は、暗がりを歩いていた。

頭上を貨物列車が通過する、深夜のガード下。

深夜ともなれば、こんな場所を行き交う人などいる筈もない。

いるとすれば終電ギリギリに間に合ったサラリーマンやOL。

それらが少女の『獲物』。

…どれにしようかな。

少女はあどけない表情のまま、ワンピースのスカートの下…太股のホルダーに差し込んだ『得物』を指で数える。

…天の神様の、言う通り。

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