のたお印の短編集
峰の部分に鋸状の刃がついた、軍用のアーミーナイフ。

刃渡り30センチはあるという、小柄なウェンディには不似合いな代物だ。

彼女はそれを、重量に振り回される事なく自在に操り、ククリナイフと共に二刀流で夏彦に迫る!

相手はボクサーではない。

ガードする事は、即、腕の切断にも繋がりかねない。

重要な神経や血管の通った体の内側を傷つけられないように小さく丸まるように構え、ダッキング(上体を前に屈めるようにして相手のパンチをかわす戦法)やウィービング(頭を振る事で相手の攻撃をかわす)をしながら、ウェンディのナイフを紙一重で回避していく。

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