のたお印の短編集
とはいえ、完全に回避し切れない。

小さな切り傷が、夏彦の腕や体に刻み込まれていく。

血に染まる夏彦の体。

「オラどうしたよ?どうしたよ!何かやんだろ?私をぶちのめして賞金稼ぐんだろ?やってみろよ、オラ、オラッ!」

狂ったように、暴風のように、左右のナイフを振るうウェンディ。

しかし調子付いたのか。

彼女の動きはあまりにも大振りすぎた。

それを見逃す夏彦ではない。

「じゃあ…そうさせてもらう」

大型のナイフ故に、小回りは効かない。

斬撃が通り過ぎた隙に。

「がはっ!」

夏彦は肝臓打ち(レバーブロー)を叩き込む!

< 43 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop