のたお印の短編集
今は放置されてしまった、建設途中の工事現場。

慈空はそこに一人立っている。

…昔、ここで凄惨な事件があった。

拉致監禁された一人の女子大生。

複数の少年達に輪姦され、欲望という欲望を吐き出され、その行為に飽きた頃には鬱憤の捌け口として虐待の対象とされた。

傷を負い、食事もまともにとらせてもらえず、その耐え難い苦痛に自ら殺して欲しいと懇願するようになった頃、彼女は少年達の壮絶なリンチによって殺害され、この工事現場に遺体を埋められた。

やがて工事現場の作業員が遺体を発見。

この事件は当時連日報道され、犯人グループが未成年だった事もあり、世間に大きな衝撃を与えた。

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