のたお印の短編集
「ひでぇ話だよなぁ…」

笠を目深に被り、慈空は俯く。

その表情は。

「くくくくっ…」

笑っていた。

酷い死に方をした女性の眠る地で、笑う。

僧でなくても、不謹慎だと理解できる行為だ。

しかし。

「だってそうだろう?生かしておきゃあ幾らでも楽しめただろうに、何も殺す事ぁなかっただろうによ…快楽を仕込んで仕込んで、男のモノ無しじゃあ生きられねぇスキモノにしちまえば、逃げようとも助けを求めようとも思わなくなる…自分から男を求めて股を開く牝になったものをよ…」

慈空は悪びれもせず、『両の眼』を細めた。

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