のたお印の短編集
無言のまま、省吾はアリッサを抱き上げる。

…軽い。

女としても、痩せ細ってしまったアリッサの体は気の毒なほどに軽くなってしまっていた。

「帰ろう、アリッサ…」

愁いを帯びた瞳で、省吾は呟く。

「もう終わった…戦争は終わったんだ…」









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