光と影

見えない

自分のことで精一杯だから。




その時、アタシの前に白いハンカチが視界に入ってきた。




「近所迷惑だから、泣き止みなよ」



そういった男は、暗くて顔が見えなかった。



「別に、いらない」



「いらなくない。早く受け取りな」



「しつこいよ?いい加減にして」



「俺、そういう男だから」



「マジでウザいんだけど!?アタシの事なんか心配もしてないくせに!」



「心配してなかったら、ハンカチなんか渡さない」



「そんなッ・・・・」




そんな冗談、いらないってば!




言おうとした言葉は、のどで消えてしまった。
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