私はきっと、最期まであなたを欲しがり続けます。
そんな私の考えも、この、夏原第二中学校(なつはらだいにちゅうがっこう)に入学して変わり始めた。
―入学式当日―
ガヤガヤガヤ----。
「あゆは教室行きなさいね。お母さんこっちだから。じゃあね」
お母さんがそう言ったのも耳に入らないくらい私は緊張していた。
「うん」
だから誰にも聞こえないくらい小さな声で返した。
「あゆー!!」
ドサッ
何かが私の名前を呼ぶ声と共にぶつかってきた。
「あやー!!びっくりしたあ」
坂口彩香(サカグチ アヤカ)
私の小学校からの親友。
彩香の事をみんなだいたいあやと言う。
私もみんなにほとんどはあゆと言われる。
あやは優しくて綺麗でお姉さんみたいな子だ。
「ごめんごめん!クラスどこだった?」
しまった!緊張してクラス名簿見てなかった~(泣) 紙、紙、紙・・・ガサガサ・・・あった~
えっと・・・
「A組?う・・・んA組だ!!あやは?」
「ほんと!?うちもA組!!!」
「「やったー!!!」」
二人して叫んで少し緊張はほぐれた。
しかもあやと同じだもん。怖いものなし・・・なんてね先輩は怖い人ばっか。
二人でA組まで行き席に座り、先生の話を聞き、いよいよ入学式本番を迎え、拍手と共に終わった。それからあやとばいばいしてお母さんと家に帰った。
その日は人の顔なんて見てられないくらいだったから…あいつの事すらまだ知らなかったんだ。