うさぎとねこ
部屋に入り、髪をほどく。

髪を梳きながら着替えていると

自分が映る鏡が目に入った。

髪を下ろすとますます『あの人』に似てしまう。

「紅葉……なんで…

なんで紅葉は……






私を好きになったのよ」

私達の関係が壊れることは

わかっていたはずなのに。

なんで好きになったの。

なんで告白してきたの。

なんで……

『あの人』の想いを断ったの。

あなただって『あの人』が好きだったんでしょう?

だから毎日会いに来ていた。

今日は行ってもいい?って

キラキラした目で言ってきた。

『あの人』と付き合えばよかったのに。












そしたら誰も傷つかずにすんだのに。
< 10 / 19 >

この作品をシェア

pagetop