うさぎとねこ
『彼女』の家についた。

引っ越したりはしていないみたいだ。

インターホンを押すと

40代の女性が出てきた。

「…お久しぶりです。おばさん」

そう言うとおばさんは

俺だということに気付いたようで

「…あぁ、紅葉君ね。

久しぶり。今日はどうしたの?」

と言って微笑んだので

『彼女』に会いに来たと言うと

「……そう。あがって。

『あの子』もあなたが来てくれて

喜ぶと思うわ」

と言って家にいれてくれた。



仏壇のなかで微笑む『彼女』。

昔は『彼女』の顔を

まともに見れなかったけど、

今はなんとかなってる。

手を合わせ『彼女』に問いかける。

(僕は…君の理想に…近づけたかな?)

もちろん答えは返ってこない。

それでいい。

『彼女』の言葉を聞くと…決心が揺らぐ。

俺は…完璧になる。
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