HRUKA
おかあさん
あたしのお母さん…
優しくて。あったかくて。
だいすきなお母さん…
でも
他の子のお母さんとは違う。
初めてそう思ったのは小学校の参観日。
そう、たぶん小学校3年生の雨だった参観日。
あたしは、お母さんが学校に来てくれるのが嬉しくて、嬉しくて何度も後を振り返った。
お母さんはいつも派手な着物で学校に来ていた。
カッコイイなぁ。ってキレイだなぁ。って思ってた。
その時、クラスの子のお母さんたちが話していたのを聞いた。
「はるかちゃん。あの子はホントは養子みたいよ。」
「はるかちゃんは知ってるのかしらね。」
「なんでも本当のお母さんははるかちゃんが生まれてすぐ亡くなったそうよ。」
「かわいそうに。。」
そのときは「養子」の意味も知らなかったし、なんであたしがかわいそうなのかも分からなかった。
それにあたしにはお母さんがいるからちっとも「かわいそう」じゃなかった。
ていうか、本当の「かわいそう」なんて知らなかった。
その時のあたしにとってお母さんが「世界」だった。
小学校5年生。
あたしはイジメにあってた。
「あんたのお母さん『みずしょうばい』してるんでしょ。」
「ウチのお母さんがはるかちゃんはホントのこどもなじゃないって言ってたよ。」
上履きを隠されたり、教科書をメチャクチャにされたり、仲の良かった子に陰口を流されたりもした。
「あんたたちにあたしのお母さんの何が分かるんだ」って思ってた。
だけど今はそう思わない。お母さんはお母さん自身にしか分からないんだ。って思える。
そうして、あたしは、保健室に登校するようになってた。
保健室の吉川先生に説得されて6年生からは授業に出るようになった。
新しいクラスの子たちはあたしがイジメに遭ってたことを知ってたから少し距離を置きたかったんだろうか、最初はあまり馴染めずにいた。
5月を過ぎたころあたしは