叶わない恋に、恋をした

「ふぅん。そっかそっかぁ」


大塚くんは未だ目を瞑ったまま話を進める。


「あいつの何処がいいのー？」


…う、難しい質問。
相楽くんのこと意識したことないからあんまりわかんないんだよ。って言えたらどれだけ楽か…。


「えーとね…､明るいとこ。うん‥」


相楽くんと言えばこれしか思い付かない。


「え、お調子者の間違いでしょ〜？」


「あ、そう。それ」


「て、高峰さんは変な人〜。お調子者に恋するなんて〜」


「ふふ､ほんとそうだよね」


ほんとはもっと変な人だよ、私。
好きな人の目の前で、好きでもない人の話をしているのだから。


「じゃあさ、大塚くんはみいちゃんの何処が好きなの？」


「え、それ聞いちゃう〜？ふふ」


「なに照れてるの。今はみいちゃんが居ないんだから大丈夫だよ〜」


「そうだな〜‥。言い出したら切りがないんだけどなぁ。」


「うん、いいよ。教えてっ」


私は相当な変わり者なのかな？


好きな人の、好きな人の好きな所を好んで聞くのだから。