叶わない恋に、恋をした
「ね、見てみて」
とある授業中、彼は私の肩をたたく。
「じゃーん!みいちゃんでーす」
ふふ、と笑いながら彼はノートのど真ん中に書いたみいちゃんの似顔絵を見せてくる。
「似てる?似てる?」
「似てるかどうかはわかんないよ」
そういって私はクスクス笑う。
「え、高峰さんってみいちゃんのこと知らないっけ?」
「知らないよぉ、知ってるのはみいちゃんは大塚くんの彼女さん。ってことだけ」
彼は誰でもみいちゃんのことを知っているという少しおかしな思考回路を持ち合わせている。
きっと、自分自身がみいちゃんのことをしりすぎているからそういう錯覚に陥るのかもしれない。
「でも、きっとすごく可愛いんだろうね」
私がそう笑うと、
「やっぱり高峰さん、みいちゃんのこと知ってるんじゃん」
嬉しそうに、彼は頬を緩める。
本当に、彼はみいちゃんのことを考えているとすごく素敵な表情を見せてくれる。
また、キュンと音がなる。