叶わない恋に、恋をした

「ん〜…、しいていうなら…相楽［ｻｶﾞﾗ］くんかなぁ。」


ふと、いつも大塚くんとつるんでいる彼の名前を口にした。


「‥え、嘘！ほんとに〜？」


…


何故彼が今、こんなに嬉しそうにしているのだろう。


「ふふ、そっかそっかぁ」


相楽かぁ…と、彼はぶつぶつと顔を緩ませながら、とんでもないことを口にする。


「協力、してあげる」


「…………‥は、い？」


「だーかーらー、協力してやるよ」


おかしい。大塚くんは絶対におかしい。


だってこの話は、


「しいてゆうならっていうお話だったじゃん」


「ふふん」


そんなこと聞こえませんよ。と言わんばかりの彼の含み笑い。


「よし、今日の放課後から作戦会議を始めよ〜」


「‥…」


もう、何を言ってもきっと無理だ。


それに、これは少しばかり私にとってはラッキーだ。


ごめんね、相楽くん‥。


少しの間、貴方を使わせてもらいます。