叶わない恋に、恋をした


「ふふ、なんだか大塚くんらしいね」


そう、私が笑うと


「‥…」


彼は何故だか黙り込む。


「どう‥かした?」


私がそう言うと、彼がハッとしたように


「、ごめん。ちょっと意識飛んでた」


ふふ、と笑う大塚くん。


「あ、これ。遅れたお詫びの印のイチゴオーレっ」


大塚くんの手の中から、フワッとイチゴオーレが宙を舞う。


「ちょ、えっ、‥」


私は慌てて手を伸ばす。


「お、うまいじゃん」


なんとか私の手の中に収まったものをみて彼は笑い、


「好きでしょ?それ」


「え、うん。好き。‥て、なんでわかるの?」


「さぁ、なんででしょ〜」


「あ、わかった。みいちゃんが好きなんでしょ?イチゴオーレ。だから女の子は誰でもイチゴオーレが好きだと思ってるんだ!」


「お、せいかーい。」


やっぱり、大塚くんの頭の中はみいちゃんが中心で回っているらしい、です。


「ありがとね。」


「ん。いーよー」


と、緩い返事が帰ってくる。


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