涙の器
『君‥今仕事してるん?』

突然そんな事を聞かれたうちは、無性にイラっとして‥

『はい!?』

悪かったね、どうせ仕事なんてしてませんよ‥ニートですが何か!?

付け加えて心ん中で叫んだ。するとその男は引き下がる事なんてせんと、逆に勝手に話を盛り上げ始めた。

『あんまかっかせんと。なぁなぁ、夜の仕事に興味無い?君ならイケるで!』

なんやコイツ‥

それが印象。ええイメージちゃう、最悪やった。なんでうちが夜働かなアカンねん‥ん?夜?

『夜の仕事?』

『そ、夜の仕事。キャバクラってわかる?俺そういう店のスカウトしてるねん。楽しいで~やってみいひん?』

キャバクラ‥

名前位は聞いた事あった。テレビとかで特集組まれたりしてるやん。華やかな世界や、その中にうちが入ってええの?実際見た事無い世界に興味が湧いてきてんよ。
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