フルムーン~月夜の旋律~
「美月さん、今回は少し時間掛かりましたね。」
「そうね。中ボスレベルだからかな。」
「いつもの雑魚(ザコ)だったら、30秒かかりませんしね!」
ここは所変わって2階の会議室前。
この校舎は敷地が広いし、デカイ。
校舎は4階建で、グランド+体育館×2+渡り廊下でつながる別館が4つ。
他にも色々あるが、どうでもいい。
そして、今は本館の2階ってワケ。
時々会った他の妖血には、校舎外に行くように言った。
この校舎にいたら、捕まるのも時間の問題だしね。
「……なぁ美月、俺おまえの事少し甘くみてた。」
さっきまで黙ってた安曇が話しかけてきた。
「突っ込みたいとこ沢山あるんだけど。」
「どうでもいいだろ。」
「ま、いいや。誉め言葉で嬉しいね。」
表面上クールにしているが、内心、ガッツポーズ!
安曇に認めさせたって言う、満足感だ。
「で、さっきのはヴァンパイアの能力なのか?」
ヴァンパイアの?
って事は、私が2種類の妖血を持ってること知ってるのか。
そんなに有名なのかな?
……どうでもいいや。
「う~ん。中間だなぁー。」
「中間?」
「簡単に言うと、2つの能力を組合わせてる。」
「それじゃあねら………」
__ドーンっ
何か言ってる最中だったけど、さっきの音は…?!
「美月さん!近くにいます!二人です!!」
結衣が叫ぶ。
「行くぞ美月。」
「……了解っ。」
音がしたのは会議室の中からだ。