フルムーン~月夜の旋律~
キーンコーンカーンコーン♪
私たちが教室に入ると同時にチャイムが鳴った。
「な、なんとか、間に、合った……!」
「もう、これだから、美月は!」
……共に息が切れ切れだ。
おかしいなぁ、今日は寝坊しなかったはずなのに。
……ちゃんと、時計見よう。
__ガラッ
担任がドアを開けて入ってきた。
「お前ら、うるせーぞー」
いつもの担任の口癖。
ぜんぜんうるさくないのに。
「今日はなー転入生を紹介するぞー」
……あれ?
転入生来るなんて聞いてない気が…。
まあいいや。どうせ、このじいさんの言い忘れでしょ。
転入生が教室に入ってくる。
私は、だるそーに転入生を見た。
「安曇 陵って言います。よろしく!」
顔が整っていてとてもモテそうだ。
声もすごく爽やかな少年だった。
「ねぇ、美月。安曇君イケメンだね♪」
後ろの席から真由美が話しかける。
……ときめいているみたい。
「……そう?なんか私の苦手なタイプ。」
「嘘っ!?それは残念♪」
なんで嬉しそうなの!?
真由美ってイマイチわからん!!
そんな風に考えてた私だが、安曇陵を見たときから何か胸騒ぎがしてならなかった。