フルムーン~月夜の旋律~

~教室~〈安曇 陵side〉

「あ~あ。やっぱり美月は覚えてなかったな。」


俺は一人ポツリ呟いた。

先程までいたクラスメイトは帰り、教室には俺だけ。


先程の言葉から推測すれば、残念そうに聞こえるが、そうでもない。

むしろその逆かもしれない。

おもわず微笑む。


「美月の能力を早く見たいな~。稀少種の妖血。」


ますます好奇心の溢れる。


「まぁ、じきに見れるな!楽しみだよ♪」


そう独り言を連発し、ふと窓から空を見た。


雲が太陽を隠し、辺りは灰色に染まる。


__タッタッ。


少し遠い所で、誰かの足音が響く………。





< 7 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop