フルムーン~月夜の旋律~
__ガラッ
私は思いっきり教室のドアを開けた。
予想どうり、安曇は教室にいた。
……一人だったのは予想外だったが。
まぁ、安曇がいることには違いない。
そっちのが都合もいいしね。
「おっ。美月ちゃんじゃん!」
安曇はニコッとしてそう言った。
相変わらず読めないヤツだ。
でも、ただの人間じゃないことがわかった今、油断はできない。
「安曇、あんた妖血?それとも妖なの?」
面倒なヤツには単刀直入が一番だ。
「単刀直入だね。まぁ答えてもいいか。ただし!」
「ただし?条件があるの?」
「俺の話をきちんと聞いてくれることが条件。」
……はぁ?
変わったヤツ……。
てっきり、私の能力を教えろとでも言うかと……。
「わ、わかった。」
ちょっと動揺してしまった。
「じゃ、約束通り教えるよ。……俺は妖血だ。」
「……何の?」
「まぁ、いつもなら教えないとこだけど教えてあげる。」
「いちいち面倒臭い!」
「そんな風に言わなくてもいいだろ?」
安曇は苦笑いして言った。