愛をくれた神様
検査室の帰り、たまたま薬局に用事があり外来の待合室を通ると、小さい男の子が、にこにこしながら、マンガを読んでいた。 朝から同じ場所に座り、テレビを見たり、キッズコーナーのマンガを読んだりして座っているのだ。
「おはよう」
私はつかつかとその子に近づき、挨拶をした。
「おはよう。」
その子はにっこりと笑った。
小学生…何年生くらいだろうか。八重歯に、ひとえの、目が大きい、可愛い男の子だった。水滴で前髪がべったり張り付いていた。
「お母さん待ってるの?」
今日は患者さんが多く、病棟の観察室は点滴を打つ患者さんで、ベッドがいっぱいだった。男の子は首をふった。お見舞いに来たご家族さんだろうか?。
「お姉ちゃんは、かんごふさん?。」
逆に聞かれてびっくりしつつ、私はそうよ、と言った。
「またね」
私は言い、その場を去った。