愛をくれた神様
それは、たびたび私の所へくる、不思議な手紙だった。
実家の住所から転送されてきたそれは。
私が10歳になった頃から、不定期的に届くのだった。
小学校四年の時に大きな台風があり、それから半年くらいたってから最初の一枚が届いた。
それから、今の今まで2年くらいに一度、たびたび私の所へその差出人のないハガキは来るのであった。
字体が同じだから、差出人はたぶん一緒だと私は思う。
メッセージは何も書かれておらず、差出人のところに大阪府大阪市生野区とだけ 書かれてあった。
私も姉も最初は気持ち悪がった、だが、母は差出人が私の名前なんだから、大事にするべきだと言って、チョコレートの入っていた箱をだしてきて、そこにハガキを入れた。
そうしているうちに、私もハガキを自らそこに保管するようになった。
最初は気持ち悪かったが、ばかみたいに頭が悪そうな字もアンバランスな平仮名も、懐かしいような、いつかはちゃんとした文が書かれたはがきが届くような、そんな気がするのだった。