愛をくれた神様
かおりの話・恋愛

仕事を終えると、ちょうどいいタイミングで電話が鳴った。 裕樹からだった。

「もしもし。」

電話が鳴り止まないうちに、私は電話を取る。 私からの電話に彼はほとんど出ない。だから彼から電話がくるときは、何が何でも取らなければならなかった。

「かおり?」

私は、もしもし と言った。 嬉しいくせに、どうしてだか彼の前では私は、それを表面に出せないのだった。

だが。もう、このままじゃ駄目だ。

カッコつけるだけの関係は疲れるだけだった。 私は裕樹に言わなければならない事があった。

そんな私の真意をしらず、裕樹は言った。

「飲みに行こうぜ。」

「……うん。」


私は答えた。


病棟のラジオが 「日曜日まで雨は振らないでしょう」とつぶやいている。


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