愛をくれた神様
子供ができたかも。
妊娠したかも。
こう言うことは、何事もない事のようにさらっ言うのと、普通に言うのと、どっちがいいのだろう。
そんな事を考えながらエレベーターを下り、私はギョッとした。 小さな人影がいた。待合室のすみっこで、小さい男の子がすやすやと眠っていた。
「……。」
男の子は目をぱっちりあけ、私を見上げた。 よく見たら私が昨日話した男の子じゃないか。
「お姉ちゃん、お仕事終わったの?」
「まあね。」
私は言った。
「…はやくおうち帰らないと、おうちの人心配するよ。」
私は言った。 男の子はそれには答えずいすからすべりおり、私をみた。
「今からでーと?」
「まあね。」
私は振り返らず、言った。
「好きなの?。」
「…まあね。」
「あんたは好きな女の子いるの?」
ちょっとつっこみたくなった。
「いるよ。」
答えが帰ってきた。ガキのくせになまいきだなあ~と思った。
「自分もデートすれば?」
私は言った。
「しない。」
男の子は言った。「ここにいられるの日曜日までだからさ。 」転校でもするのだろうか?
振り返ったらもうその男の子はいなかった。