愛をくれた神様
ある日、その子が私に
「お前も、たまにはチリトリガーやってもいいで。」
と言ってきた。
私は黙ってしまった。
どうしたらいいか分からなかった。黙っていると 彼はつかつかと私に歩みよった。
だらん、とわきに下げていた、私の手に、チリトリを持たせ、彼は何の反応もしない私の前にまた近づいた。
「…」
きがつくと、手をすこし前に出せば当たる距離だった。うつむいていた顔をあげる。
ひとえの、わりと大きな目だった。いたいくらい日焼けした肌に前髪がかすかに汗でしめっていた。 男の子の目をこんなに間近で見たのは初めてでどんな顔をしたらいいかわからず、目を横にそらした。
一瞬、土の匂いがした。
一瞬の出来事だった…
彼は私にキスをした。