愛をくれた神様
朝から夜遅くまでバイトだと言ったくせに、実は、彼は、恵美と、香奈と、川上くんと、渋谷のお店でお酒を飲み、私の妊娠を井戸端会議のように笑って話していたのである。
私は、なんだか、ひどく裏切られような、いやそれ以上の事をされたような衝撃を感じていた。
妊娠したかもしれないという思いにふれた時、一番最初に不安に感じたのは、裕樹の反応だった。
一度は、いきなり電話に出なくなった。ある時は、ふいに、別れ話を切り出されたかと思えば、一時間後にその話を解消をされた。そして写真が見つかった。恵美と裸で寝ている写真だ。裕樹はそれをせめたが、しかし彼いわく、自分は、私を一番愛していた、だが自分は仕事ばかりで何かとその話ししか自分にしない不安だった、私が離れていかないように試したんだと、とあいた口がふさがらない話をした。
私を不安になるほど愛している割には、裕樹くんは、私よりも、彼らとの約束を優先させるようになった。
私から、彼に別れを告げたのは当然の答えだった。ところが、それをすると彼は私が惜しくなるらしい。