愛をくれた神様
そして翌日、仕事を終えると、お昼休みから終了時間にかけて、1時間に7件もの着信があった。彼は病院の前の公園で待ちぶせをして、まんまと私をつかまえた。
裕樹が追いかけてこないようにアドレスや携帯も換えた事もある。
だが、裕樹は、美優から新しいアドレスを聞きつけ同じ事をする。ある時は、夜中に押し掛け、私を強引に後ろの座席へ押し込むと、有り得ないくらいスピードをあげて、廃墟に近い建物の駐車場で、私を強引に思うままにした。そして私は彼の思うような彼女にならなければならなかったのである。
家庭を作り、こどもを育てていく事を考えると、今の2人の関係ではそれは不可能だと思った。収入ならちゃんとある。裕樹に黙って先月のボーナスを使い、こどもをおろし今度こそこんな関係やめようと決意した。だが、そうしなかったのは裕樹の事をまだ信じていたからだ。
別れても別れてもおいかけてきてくれる裕樹の気持ちに、かけてみようと思ったのだ。
自分でも分かっている。私はどんな事をされても裕樹を嫌いになれない、ばかなのだ。