愛をくれた神様
合い挽き肉、トマト、セロリ、ナス、ズッキーニを炒める。今日は野菜たっぷりのカレーの作り方だった。にんじんじゃがいもの材料も加え、煮込む。
タオルで洗った手をふき、郵便物を見に行く。
あの男の子のひとことが耳にこびりついていた。
やっぱり とおもうまもなく玄関にとりつけた郵便受けから、そのハガキは出てきた。
そしてあっ…と私は息を呑んだ。
いつも内容が書かれていないハガキだったのに、今回はちゃんと内容も書かれているようだった。
いやまて… と 私は慌ててハガキをひっくり返す。
いつもの 子供の私の実家の住所。
そして、差出人の名前。 いつも私のところへ届く あのハガキに違いなかった。
なぜか切手だけが新しいものらしいのが気になったが…。
手が震えていた。
再び、ハガキをひっくり返す。
そこには、たった一行、こう書かれてあった。
「僕はきみが好きでした。だからあんな事をしてしまいました。ごめんなさい。」
と。