愛をくれた神様

お給料が入ったので、何かごちそうしてあげたかった。

このては反則かなぁ…と思いつつも、僕は今、彼女の家に向かっている。

仕事で忙しかった時彼女とこのまま別れてもいいとすら思ったのに、今は、そんな事を思った事を後悔している。彼女がこんな事を思っていた僕でも家に来てごはんを作ってくれたから、僕はこんなにかけがえのない存在がいた事に気が付く事ができたのである。

鞄の中には指輪が入っている。僕にはそれを選ぶセンスはないので、婚約した友達と同じ指輪だ。ペアは買えないので買ったのは彼女のものだけだ。

彼女に会うと、まずハガキの事を謝ろうと思う。 そして、結婚の話をしようと思う。まだ就職活動もしていない彼女はたぶん将来の事何も考えていないだろう。僕が結婚したいと言ったら、驚くかもしれない。結婚はまだしたくなくて仕事に生きたいと言うかもしれない。それでも、指輪は受け取ってくれたらいいと思う。

彼女の答えがどうでも、僕は彼女と付き合い続けたいと思う。彼女がどんなに気まぐれであろうと、毒舌であろうと、僕には彼女しかいないのだから。

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