愛をくれた神様

弟には、本当に、あのハガキを送り直してくれて感謝している。

 あいつには幸せになってほしいと切実に思う。


残るは、あの気になる女の子の事だ。 ぼくはあの子が好きだった。どんな手を使ってでも気にかけてほしくて毎日そればかり考えていた。

ところが、そんなあの子の顔に、ほこりが付いていたのである。 ぼくが振り回したちりとりのせいだと思い、取ってあげようとして、間近であの子の顔を見たら、思わずキスをしてしまったのだ。

僕は謝ろうとしたがなかなか言い出せなかった。あの子が汚いな!なんなのよ~!と言ってくれたら、こちらも謝れるのに。あの子はいつも通りに、そうじを続け一度も目を合わせてくれなかった。

僕は、その子と話しがしたかったが、目を合わせてくれなかった。はなくそを飛ばしても、絵を書いても見てくれる相手がいない非常につまらない5時間目の授業が終わり、はげしくあんな事をしたのを後悔した。
< 62 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop