廻音
「鍵…。合鍵?なんで…何時の間に。」

「あれ。言ってなかったっけ。
もし万が一何か心境の変化で、本当にもしも、廻音が鍵を閉めて出掛けちゃってたら、すれ違いで会いに来た時中で待ってられないだろう?
だから念の為、作っといたんだ。」

「それ犯罪です。」と言いかけた言葉が出ないくらいの唖然だった。

既にやってしまった事はどうしようもないけれど、さすがに心臓に悪いし勘弁して欲しい。

なのにビックリした私に「サプライズ大好き」な彼は嬉しそうだ。

もういいや、と諦めて、サンダルを脱ぎ捨て部屋に上がる。
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