廻音
見上げた空は、目が釘付けになる程の赤だった。
「さむ…。」
昼間の気温に合わせた服装は、夕暮れ時にはさすがに肌寒い。
ふと立ち止まった路地は、いつかの夏の日、姉と別れた路地だった。
あの日の寂しそうな表情。
伸ばした右手。
何も掴めなかった掌。
ねぇ、お姉ちゃん。何を掴みたかったの。
「さむ…。」
昼間の気温に合わせた服装は、夕暮れ時にはさすがに肌寒い。
ふと立ち止まった路地は、いつかの夏の日、姉と別れた路地だった。
あの日の寂しそうな表情。
伸ばした右手。
何も掴めなかった掌。
ねぇ、お姉ちゃん。何を掴みたかったの。