廻音
光陽公園もすっか秋の色に変わろうとしている。
最初の頃とはだんだん変わる景色に、時間の経過を感じていた。





「輪廻に、会いたい。」

黒雅さんの声に、ゆっくりと視線を彼に合わせる。

「輪廻に会いたい。揺らがない。揺らいでくれない。
会って、彼女の名前を呼びたい。
彼女の声が聴きたい。

愛していると、伝えたい。」





「会う、んですか?」

暫くの沈黙の後、しっかりと定まった彼の瞳を見た。
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