廻音
姉の部屋のインターホンを押すと、直ぐに姉が顔を出した。

「いらっしゃい。來玖さんも。どうぞ、上がって。」

玄関で靴を脱ぎ、上がるとテーブルの上にはティータイムセットが準備されている。
その横には…何故か数種類の煎餅が入った缶。
お中元とかで見かけるやつだ。

「ティータイムに煎餅?」

「貰ったのよ。下の階の人に。
たまたま出くわして、世間話してたら流れで。沢山あって食べきれないからって。
私だって一人じゃ食べきれないから。
あなた好きでしょ?」

「好きだけど…。」

「じゃあ問題ないわね!
さ、座って。」
< 185 / 213 >

この作品をシェア

pagetop