廻音
「さあ、ね。メンタルはどうであれ、健康面に問題は無さそうよ。それだけなら、まぁ…『元気』なんじゃない?」
私だって気付いていた。
口調に棘がある事に。
嫌な言い方をしてしまっている事に。
何が気に入らないのだろう。
どうしてこんなにも…
「廻音、何だか苛ついてる。」
そう。何がこんなにも私を苛つかせている?
過去に焦がれる姉の視線。
「輪廻」出来ない「輪廻」。
それどころか彼女が今望むのは紛れもない、黒雅さんが居た過去だ。
いつだって「今」なのに。
過去の上に今の私達は立っている。それはそれで間違いではない。
けれど私達は過去を生きているのでも、未来を生きているのでもない。
いつだって「今」なのだ。
過去に恋をしたままの姉は、とても非生産的であり、ならばいっそ途方もない未来へ足掻く姿ならば、希望が持てた。
後ろ向きに歩く彼女の姿は痛々しく、弱く儚く見えて…だからこんなにも神経がざわつくのだ。
「納得いかない…。」
ポツリ呟いた私に、困った顔で來玖さんは苦笑うのだった。
私だって気付いていた。
口調に棘がある事に。
嫌な言い方をしてしまっている事に。
何が気に入らないのだろう。
どうしてこんなにも…
「廻音、何だか苛ついてる。」
そう。何がこんなにも私を苛つかせている?
過去に焦がれる姉の視線。
「輪廻」出来ない「輪廻」。
それどころか彼女が今望むのは紛れもない、黒雅さんが居た過去だ。
いつだって「今」なのに。
過去の上に今の私達は立っている。それはそれで間違いではない。
けれど私達は過去を生きているのでも、未来を生きているのでもない。
いつだって「今」なのだ。
過去に恋をしたままの姉は、とても非生産的であり、ならばいっそ途方もない未来へ足掻く姿ならば、希望が持てた。
後ろ向きに歩く彼女の姿は痛々しく、弱く儚く見えて…だからこんなにも神経がざわつくのだ。
「納得いかない…。」
ポツリ呟いた私に、困った顔で來玖さんは苦笑うのだった。