廻音
「ね…ね、ちゃん…。」
「黒雅さん、ごめんなさい。
でもね、罰を受ける気はないの。」
やっぱり持ってきて正解だったと手元の牛刀を見る。
どこにでもありそうな肉切り用の包丁だ。
マメに手入れしているわけではない。
それでもそれなりの切れ味に、腹の底がコロコロとくすぶった。
「お姉ちゃーん。知ってるよね。私、やられる前にやっちゃえ精神なんだけどなぁ。
先にヤッちゃうなんてズルいよ。
もう怒っちゃったよ、私。
…この粗悪品がっ!
無限倍返しね?」
面白い程にサクッと食い込んだ刃は、後悔しようにも既に遅く、目の前の女の首を裂く。
両者共に、懺悔の猶予すら与えてはくれない。
溢れる血の臭いが、脳みそを刺激した。
声も出さないで、吐息もしなくて、
「何とか言いなさいよ!命乞いくらいしなさいよ!ねぇ!!!」
蹴り飛ばした容器は中身を散らしながら壁にぶつかり、グシャリと落ちる。
「黒雅さん、ごめんなさい。
でもね、罰を受ける気はないの。」
やっぱり持ってきて正解だったと手元の牛刀を見る。
どこにでもありそうな肉切り用の包丁だ。
マメに手入れしているわけではない。
それでもそれなりの切れ味に、腹の底がコロコロとくすぶった。
「お姉ちゃーん。知ってるよね。私、やられる前にやっちゃえ精神なんだけどなぁ。
先にヤッちゃうなんてズルいよ。
もう怒っちゃったよ、私。
…この粗悪品がっ!
無限倍返しね?」
面白い程にサクッと食い込んだ刃は、後悔しようにも既に遅く、目の前の女の首を裂く。
両者共に、懺悔の猶予すら与えてはくれない。
溢れる血の臭いが、脳みそを刺激した。
声も出さないで、吐息もしなくて、
「何とか言いなさいよ!命乞いくらいしなさいよ!ねぇ!!!」
蹴り飛ばした容器は中身を散らしながら壁にぶつかり、グシャリと落ちる。