廻音
「どうして…。ね、黒雅さん。
なんで何も言わないの?
私、あなたのたーいせつな輪廻を壊しちゃったのよ?ねぇ。

聞き分けいい事しないでよ。
愛してるんじゃないの?輪廻の為なら何でも出来るんじゃないの?
先にヤッちゃったのはコイツだから?
私の事許しちゃうの?

あなたの事もう愛していないから?愛してくれないならもう要らないの?

ねぇ…ねぇ、ねぇ!!!」

「廻音…廻音!やめろ!もうやめろ…。
この女は許し難い。止められなかった俺自身も罪だ。
お前が罪なんて、あっちゃいけない。こんな事って間違ってる…!」

「ら…いくさん。らいくさん…あぁ!來玖さん!
洗わなきゃ…消毒しなくちゃ。そうよ。
來玖さんも汚されてしまった。いま…今綺麗にしてあげるからね…。

大丈夫。大丈夫よ。私達はまた何処からだって、ゼロからだってまた『二人』になれるわ。」

ベタベタと触った來玖さんの躰は赤く、更に汚れていく。

消せない血判を残して…。

全部壊してしまおう。
きちんと元に戻さなくっちゃ。
早くもう一度私だけのあなたに…。

綺麗に…綺麗に…それだけなのに…。

「來玖さん、愛してる。來玖さん…ねぇ…。」

どうして………
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