廻音
オレンジ色に満たされたグラスをテーブルに置く頃には、來玖さんは既にニコニコとお行儀よく席に着いている。
「廻音と迎える朝。目の前には愛情たっぷりの朝食。
幸せで気が狂いそうだ。」
「私は空腹で気が狂いそうです。
いっただっきまーす!」
サラリと言ってのけた私に対して、それでも彼はニコニコと異様に嬉しそうに微笑んでいる。
早朝だろうが真夜中だろうが奏 來玖が美しくない時なんてない。
今こうしている間にも腹が立つ程の整った笑顔を向けてくる彼の前では、己に情けなさを覚えさせる。
朝食の前に顔を洗って髪型でも整えれば良かったと、ほんの少し後悔した。
「廻音と迎える朝。目の前には愛情たっぷりの朝食。
幸せで気が狂いそうだ。」
「私は空腹で気が狂いそうです。
いっただっきまーす!」
サラリと言ってのけた私に対して、それでも彼はニコニコと異様に嬉しそうに微笑んでいる。
早朝だろうが真夜中だろうが奏 來玖が美しくない時なんてない。
今こうしている間にも腹が立つ程の整った笑顔を向けてくる彼の前では、己に情けなさを覚えさせる。
朝食の前に顔を洗って髪型でも整えれば良かったと、ほんの少し後悔した。