センセイ達の内緒話
「転勤したら、みんな俺のこと忘れてるんやろうな」
先月転勤した青山先生が大きなため息をつく。
彼は、学校内でも超有名人だったモテ教師。
「忘れてへんよ。いまだに、青山先生のこといろいろ聞かれるで、俺」
「マジですか?緑川先生。ちなみに、誰に聞かれたんですか?」
その会話を聞いていた黒岩先生がポツリ。
「姫華ちゃんのこと気になってんやろ?」
姫華ちゃんと言うのは、青山先生のことを一途に想っていた生徒。
学年一のかわいさ。
それなのに、サッカーのセンスは抜群でそのギャップがまた人気をあげた。
「別に・・・・・・俺は・・・・・・」
しどろもどろになる青山先生を見て緑川先生が言った。
「あの子は、何も聞いてこーへん。だけど、多分まだ青山先生のことを想ってるよ」
黒岩先生も続けた。
「姫華ちゃんと卒業式の後会う約束したんやろ?青山先生も罪深いことするよな。ずっと俺のこと好きでおれよ!って言ってるようなもんやん」